【ITP体験記①】ぶつけてないのに足中あざだらけ。1歳の息子が「ITP」と診断されるまで

足にあざがある1歳の子どもが病院のベッドに座るITP体験記のイラスト 子育て

日曜日の夜、おむつを替えようと長男の足を見て、手が止まりました。

……このあざ、何?

すねを中心に、数え切れないほどのあざ。
濃いもの、薄いもの、足中にぶわーーーっと。

こんなにぶつけた覚えはない。
というか、これはさすがに多すぎる…。

よく見ると、こめかみ辺りにも、じわっと薄黒いあざを発見。

でも本人は、いつもと変わらない様子で元気いっぱい!

これはおかしい。

元気なのが余計に怖くて、私は何度も長男の足を見直しました。

このあと長男はITP(特発性血小板減少性紫斑病)という、
当時の私には聞いたこともない病気と診断されます。

今回から、異変に気づいた夜から受診、診断、入院までのことを
覚えている限り書いていこうと思います。

もし今、「ぶつけていないのに、子どものあざが急に増えた…」と不安になっている方がいたら。
こんなこともあったよという一例として、読んでください。

これは当時1歳9か月だった長男と、私たち家族の体験です。

※これは私個人の体験談です。症状や数値、診断は当時のうちの子の場合のものです。気になる症状があるときは、自己判断せず必ず医療機関を受診してください。

始まりは2022年の夏、長引いた発熱からでした

話は、あざを見つける少し前にさかのぼります。

当時、私は次男の計画分娩を2週間後に控えていました。
そんなある日、長男が発熱したのです。

数日続いた熱がいったん下がり、やっと治ったかと思ったら、また発熱…。

下がったと思ったら、また上がる。

これが1週間ちょっと続いたんです。
もうすぐ出産だというのに、なかなか落ち着かない。

あまりに長引くので、かかりつけ医の先生が紹介状を書いてくださり、
念のため大きめの病院を受診することになりました。

血液検査の結果は、特に問題なし。

コロナもRSウイルスも陰性で、「ウイルス性の風邪でしょう」とのことでした。

結局、何のウイルスだったのかは分からないまま。
とにかく、自然治癒しそうな印象で一安心でした。

そしてなんとか分娩予定日までに長男回復!

よかったよー。
ホントに良かった。

元気な姿を確認して、私は予定していた「計画(倒れ。笑)分娩」にのぞみました。

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というタイミングで、まさかの長男の手足口病が判明

明日、新生児を連れて帰るんですけど……。

しょうがないんだけど…。
どうしよう!?

生まれたての次男と、手足口病の長男。
自宅で部屋を分け、着替えや手洗いを繰り返す、ドタバタの1か月ちょっとが始まりました。

この4月から保育園に通い始めたばかりだった長男。

保育園の洗礼、思う存分くらってるな~。

このときは、そんなふうに思いながら毎日をなんとか回していました。

また風邪、そして体調が戻った1週間後の夜

手足口病から1か月半ほど経ったころ、長男がまた風邪をひきました。

このときは40℃近い発熱。

いつもは熱が出ても元気な長男が、ソファに座っておとなしくテレビを見てる。
寝込むほどではないみたいだけど、さすがにしんどいのかな?という印象。

かかりつけ医の指示のもと定期的に受診し、
続いた熱も1週間ほどで下がって、また元気いっぱいの長男に戻りました。

やっと、いつもの長男が戻ってきた。
(=目が離せない毎日。泣)

そう思っていたのですが、問題はそのあとでした。

体調が戻ってから約1週間後の、日曜日の夜。

おむつを替えようとズボンを脱がせたとき、ふと足に目が止まりました。

「えっ?なにこれ!?」

一目で「いつものあざとは違う」と分かるほど、両足に数え切れないほどのあざができていました。
色の濃いものから薄いものまで、すね全体があざだらけ。

足だけではありません。
よく見ると、腕や太もも、おでこにもポツポツと……。

こんなにぶつけた覚えはまったくありません。

「このあざの出方、ちょっと変だよね…?」

夫にも見てもらいましたが、
「これは絶対におかしい!」と即答。

幸い、本人はすこぶる元気。
機嫌はいいし、走るし、遊ぶし、食欲もある。

こんなに元気なのに、何なんだろう。

受診はしたくとも、この時は日曜日の夜。
かかりつけ医は当然やってない。

今すぐ救急へ行くべきなのか…。
それとも朝まで待ってよいのか…。

迷いましたが、元気なこともあって本人の様子を見ながらその晩は自宅で過ごし、
翌朝いちばんにかかりつけ医へ行くことにしました。

【あとで知ったこと】 ぶつけていないのに足のすねを中心に細かい点状の出血やあざが急に増えるのは、血を止める「血小板」が減っているサインのことがあります。元気そうに見えても、あざの出方が明らかにおかしいときは、早めの受診をおすすめします。

「紹介状を書きます」──かかりつけ医での衝撃

翌朝、午前休をとってくれた夫に次男を預け、私は長男を連れてクリニックへ。

診察室で「実は、昨日の夜に気づいて……」と説明する私の話に相槌を打ちながら、
先生が長男の両足を確認しました。

そして、ひとこと。

「あぁ…」

「これはうちでは対処できないので、お手紙を書きますから病院へ行ってください」

びょ、病院……ですか?

かかりつけ医に行けば、これがなんだかわかって対処してくれる。
そんな気持ちで来ていた私は、ここで一気に不安になりました。

「風邪がきっかけで、血小板が下がってしまうことがある」

「病院でちゃんと検査したほうがいい」

先生の言葉に、呆然と相槌を打ちながら思いました。

これ、思っていたより大ごとなのかもしれない…。

すぐに、以前血液検査をしてもらった病院への紹介状を書いていただき、夫に電話。

「こっちは大丈夫だから、今から行ってきて!」と背中を押され、
そのままタクシーで病院へ向かいました。

1時間後に告げられた、聞いたこともない病名

病院に着いて紹介状を提示。
小児科は混んでいて、少し待ってから診察室へ。

顔色は悪くなかったか──

ぐったりしていなかったか──

歩きづらそうではなかったか──

いろいろと聞き取りがあり、「熱があったとき以外は基本的に元気でした」と伝えました。

その流れで、血液検査を実施。
結果は1時間後に出るとのことで、そのまま病院で待つことに。

採血検査をしてアンパンマンの止血シールを貼ってもらった長男

そして1時間後──。

再び呼ばれた診察室で、医師に告げられたのは、聞いたこともない病名でした。

特発性血小板減少性紫斑病
※現在は「免疫性血小板減少症」という名称に変更されています。

通称:ITP

……すみません、もう一回言ってもらっていいですか…?汗

漢字だらけの長い名称。
病名を聞いても、何のどんな病気なのかまったく想像がつきませんでした。

そんな私に先生は優しく説明してくれました。

特発性=原因ははっきりしない
血小板減少性=血小板が少なくなる(ここは分かった!)
紫斑病=皮膚に赤紫色の点やあざが出る

※現在は「免疫性血小板減少症」と呼ばれています。

原因ははっきりとはわからないけれど、
風邪などのウイルス感染が引き金となって、体内の血小板が極端に少なくなってしまう病気
だと説明を受けました。

このとき、長男の血小板は約8,000/μL。

当時、医師から血小板の数値について説明を受け、
長男は入院が必要なほど低い状態だと告げられました。

8,000/μL──

数字を聞いても、最初はどのくらい深刻なのか分かりません。
ただ、先生の話を聞くうちに、のんびり構えていられる状態ではないことだけは伝わってきました。

このとき先生から、血小板数と入院について説明を受けました。

30,000/μLを切ってくると入院を考えるんだけど…」

えっ、長男8,000なんですけど!?
さ、三分の一以下!?

そんなにヤバい…!?

※30,000/μLは、出血リスクや治療を考えるうえで使われる目安の一つです。実際の入院や治療は、血小板数だけでなく、出血症状や年齢なども含めて判断されます。

血小板は、出血したときに血を止めてくれる大切な存在。
血小板が減ると出血しやすくなり、皮膚の下で起きた出血が、あざや細かな点状出血として現れます。

通常ならなんでもないような刺激でも、内出血が起きてしまう。
そして最も恐ろしいのが、頭蓋内で出血が起きてしまうことだと聞かされました。

【ITPについて(調べたこと)】

  • 子どものITPは、その多くが風邪などのウイルス感染のあとに起こる「急性タイプ」といわれています
  • 多くは時間の経過とともに自然に回復していくとされています
  • 治療では、血小板数を正常値に戻すことだけではなく、危険な出血を防ぐことが重要とされています

※ここに書いたのは私が後から調べた一般的な情報です。実際の診断・治療はお子さんの状態によって異なります。必ず主治医にご確認ください。

選択の余地なく、即入院

このとき長男は、内出血しやすい状態のため、できるだけ安静にする必要があると説明されました。

「長男くん、家で安静にしなきゃだよ!」
(※注:長男は1歳9か月)

なんて言ったところで…

えぇ、まず無理です。

走る。

跳ねる。

転ぶ。

ソファにも上る。

──それが日課。

いや、止められる気がまーったくしない。

先生も「この年齢じゃ自宅で安静は無理でしょ?」と一言。

出血のリスクを考え、そのまま入院することになりました。

おでこにも濃いあざがあったため、念のため頭部のCT検査も実施。
結果が出るまでは、もう胸のざわつきが止まらなかったけど、こちらは幸いなことに特に異常なし。
ほっと胸をなでおろして、入院手続きへと向かいました。

夫も状況を把握すると午後も休みに切り替えて、次男のお世話を引き受けてくれました。

長男をかかりつけ医に連れて行き、診てもらったら家に帰るつもりだったこの日。

それが、紹介状を渡され、タクシーで大きな病院へ向かい、
聞いたこともない病名を告げられ、そのまま入院。

入院直後にお昼ご飯を食べる長男

朝、家を出たときには、こんな一日になるなんて思ってもいませんでした。

おわりに──「あざの出方が変」は受診のサイン

もし今、同じように「子どものあざ」で不安になって検索している方がいたら。

元気そうに見えても、
ぶつけた覚えがないのにあざが急に増えた、いつものあざと出方が違う
と感じたときは、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

長男も、あざを除けば本当に元気でした。

元気だから大丈夫──

そう言い切れないこともある。

あの夜に異変へ気づき、翌朝すぐに受診してよかったと、今でも思います。

次の記事では、たった1人での1週間の入院──。

免疫グロブリンによる治療と、
コロナ禍で付き添い入院が出来ず、1日2回の面会で乗り切った入院生活のお話をしたいと思います。

少しでも、同じ不安の中にいる方の参考になれば幸いです。

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